トンネルの工事で発生する排水中にセレンが0.4ppm含まれており、
排水基準値の0.1ppm以下にしないと工事が進められないため、
イオン交換樹脂による処理が行えないか検討しました。
トンネル工事で発生する排水は一般的に凝集沈殿処理を行いますが、
装置スペースが大きく、また凝集不良の要因となる可能性があります。
そこで、実際の現場で発生している排水をサンプリングし、当社ラボにて
イオン交換樹脂による通液試験を実施。セレンの吸着性能を確認し、
0.4ppm→0.1ppm以下の処理が可能であることを実証しました。
【凝集沈殿処理の問題点】
■排水中のセレン除去
・工事で発生する排水中のセレン濃度が変動するため、凝集沈殿による
処理水のセレン濃度が変動する
・変動することで凝集剤の使用量も変動し、凝集不良の要因となる可能性がある
■装置スペースが大きい
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基本情報
【事例概要】
<解決方法>
■排水中のセレン除去
・実際の現場で発生している排水をサンプリングし、当社ラボにてイオン交換樹脂による通液試験を実施
・セレンの吸着性能を確認し、0.4ppm→0.1ppm以下の処理が可能であることを実証
・排水中のセレン濃度が上昇した場合でも処理水セレン濃度は一定(0.1ppm以下)であり、
処理が可能であることを実証し、実機規模での処理へと移行した
■装置スペースが大きい
・今回用いた装置はイオン交換樹脂塔のみであることから、凝集沈殿処理で必要になる反応槽や沈降槽を
省く事が出来、省スペースを実現
・セレンが万が一上昇した場合でも、樹脂だとキャッチできることが試験で証明できた
<結果>
■排水中のセレン処理が可能になり、トンネル工事を進めることができた
■スペースを小さくできたことで、凝集沈殿設備に必要となる大きな工事もなく、費用、時間を抑えられた
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室町ケミカル株式会社 化学品事業部