株式会社アントンパール・ジャパン

マイクロウェーブによるオイルの酸化 加速度試験

最終更新日: 2024-09-12 18:03:34.0
潤滑油・グリースなどの長期間安定性の評価にマイクロウェーブを用いることで劣化後の検体を作成し評価。有効な酸化防止剤等の選定にも

数十年に渡る規模で使用され、熱や水分、酸性雨などによる劣化が想定される材料の評価は、加速試験を行う必要があります。もっとも一般的な加速試験がアレニウスの式(アレニウスの法則)を用いる方法で、主にゴムや接着剤の評価で用いられる方法です。材料の劣化は分解や酸化、重合などの化学反応により進んでいきますが、化学反応の速度は温度に依存することをアレニウスの式は表しています。

以上の考え方を用い、マイクロウェーブを用い必要な加熱を一定時間与えることで対象サンプルに意図した劣化を与えることで劣化後のサンプルを得ることができます。装置に必要な条件は以下の通りです。

速やかに目標温度にすること
目標時間の間、温度を維持させること
目標時間終了後、速やかに冷却させること

これは、目標温度になる時間が長すぎると目標の劣化以上の反応を引き起こすことになります。ヒーターなどによる加熱の場合、熱は外部から容器へ伝わり対流によって反応サンプル全体に伝わるので、目標温度になるのに時間かかります。一方、マイクロ波は容器壁を通過し、分子ベースで反応サンプルを直接加熱するため、加熱が的確でスピーディーです。

基本情報

マイクロウェーブはサンプルに直接働きかけるため、無駄が少なくオーバーシュートさせるリスクも低いのが特長です。マイクロウェーブは出力のコントロールが容易で、瞬時に停止させることも可能です。これにより温度コントロールを精緻に行うことができるだけでなく、終了後の冷却のスピードも容器を加熱しないマイクロウェーブを用いる利点と言えます。
経年変化による劣化の影響を見るために、加熱時間をコントロールして数年単位でサンプルを複数作ることができます。これにより、酸化によるアルコールの生成量を測定したり、スラッジの生成の過程を確認したりすることができます。
また、設置環境による酸性雨などの混入を考える場合、少量の酸を添加して加熱することで過酷な環境下での劣化を想定することもできます。加えて、これらの劣化に対する有効な酸化防止剤の選定にも実際に添加されたものの試験を行うことでその効果を確認することも有用です。

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価格帯 100万円 ~ 500万円
納期 お問い合わせください
型番・ブランド名 Monowave 400
用途/実績例 最大運転圧力:30bar
最大IR温度:300℃
最大出力:850W
※コンパクトで簡単操作

アントンパールにはラマン分光装置(Cora 5001)をマイクロウェーブ(Monowave 400R)に組み合わせてインサイチュモニタリングを試みることもできます。リアルタイムで酸化の生成物のピークを把握することも新たなアプローチと言えます。
加熱温度が高いほど十分な加速度を得ることができますが、低い加熱温度で十分な加速度を得たい場合、温度以外のファクターとして触媒や酸、圧力などを加えることでより高い酸化力=加速度を付与し、コントロールすることも可能です。

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