フッ素樹脂コーティングが撥水する理由は?
表面エネルギーと非粘着と撥水の関係をご紹介します。
■水滴と表面エネルギーの関係
フッ素樹脂コーティングの表面が水を弾くのは、水の表面張力が強く働くからです。
粘着物でも同じ原理が当てはまります。言い換えると、「濡れにくい=粘着しにくい」ということです。
液体の表面張力の働きには、固体の表面自由エネルギーが強く関わっています。表面自由エネルギーは、接する相手の分子を引き寄せようとする力です。
水は、油に比べて表面張力が高い物質です。同じ表面自由エネルギーの固体に接した時、油のほうがなじんで濡れやすく、水のほうは弾いて濡れにくいということが起きます。
固体の表面自由エネルギーが接する液体のものより小さく、かつその差が大きいほど、液体が濡れにくい(くっつきにくい)くなります。
フッ素樹脂コーティングの表面は、表面自由エネルギーが非常に小さいため、水だけでなく油も弾きますし、くっつきが起こりにくい表面なため離型を目的とした表面処理として有効なのです。
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基本情報
表面自由エネルギー比較 ( dyne/cm)
■液体 ■ 固体
水 72.8 | ナイロン6.6 46
オリーブオイル 35.8 | ポリエチレン 31
エタノール 22 | シリコーンゴム 20
IPA 21 | PTFE 18.5
表面エネルギーの差が大きいほどなじみにくいと言えます。
テフロンコーティングのフライパンに水を垂らした場合と、油を垂らした場合で、液体が丸くなりにくいのは、油の表面エネルギーが小さいため、テフロンコーティングの表面エネルギーと差が小さくなるためです。
吉田SKTでは、非粘着性、撥水性に優れた表面処理を多数ご提案。表面処理、コーティングをご検討の際はぜひお問い合わせください。
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