形状記憶合金は、変形させても固有の温度以上にすると元の形状に戻る
という特性を持つ合金であり、形状記憶性の発現は、
相変態(マルテンサイト変態)によるものです。
変態時の熱エネルギー変化をDSCにて捉える事で、3種類の形状記憶合金
製品の変態温度を測定し、元素分析によって組成との関係を調べました。
変形した針金をお湯に漬けると一瞬で元の形状に戻ります。
【DSCによる変態温度測定】
■DSCにて3種類の形状記憶合金の変態温度を調査
・変態温度はA>B>Cの順であることが分かった
・形状記憶合金Cは室温では超弾性の状態であると考えられる
・Af:A45.91、B41.20、C11.83
・Ms:A43.75、B36.25、C-15.59
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基本情報
【元素分析による組成解析】
■元素分析を行うと、変態温度が氷点下であった形状記憶合金Cでは、
A,Bに比べTi/Niの比が異なる事が分かった
■一方、形状記憶合金AとBではTi/Ni比に大きな差異は見られなかった
■ニッケルチタン系形状記憶合金では、Ti/Ni比が変態温度に影響を及ぼす事が
知られており、Ni量が多くなると変態温度は下がるとされている
■AとBの変態温度の差は、製造時の処理の差により結晶状態に差が
出ている可能性が考えられる
■DSCは形状記憶合金の様に、相変態に伴う熱エネルギーの出入りを捉える事が可能
■Ni:A49.2、B49.5、C55.5
■Ti:A50.8、B50.5、C44.5
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