株式会社ベンカン機工

開先加工(溶接式管継手)

最終更新日: 2020-08-26 15:51:06.0

「開先(かいさき)」とは、突き合わせ溶接部の突き合わせ形状のことであり、その設計と加工精度が溶接後の品質に大きく影響します。

「開先(かいさき)」は、「グルーブ(groove)」とも呼ばれる通り、母材と母材を突き合わせた場合に、その間に設けられる[ すきま ]のことで、突き合わせ溶接個所が母材と同等な品質・強度を確保するためのものです。
また、同時に、溶接不良が生じ難い形状設計と加工精度が求められます。
例えば、開先角度を大きくすると溶接量が多くなり、溶接工数の増加や母材にかかる入熱により溶接個所近傍の機械的性質変異や形状歪等に影響します。
逆に開先角度を狭くした場合は、作業性の低下や溶込み性の悪化、表面からは確認できない欠陥であるスラグ巻き込み等により、溶接不良を起こす可能性が高くなってしまいます。
それだけに、開先の形状加工は 重要であり、用途(流体の性質や圧力)、材質、厚み、口径、溶接環境などを考慮し 最適な形状や寸法となるように設計されています。

基本的な開先形状はJIS(日本産業規格)等で定まっており、突き合わせ面の形状によりアルファベットやカタカナ文字などに例えて表現されるのが一般的です。(図1)参照
様々な条件下で、最適な開先形状設計に対して、開先加工の開先角度、粗度、ルート面などの精度管理と溶接技術管理は、後の配管品質に大きく影響することになります。
疲労強度や脆性破壊※ 強度が問題になる箇所には、特に注意が必要となるわけです。

※脆性破壊(ぜいせいはかい)とは、固体材料に力を加えたとき、変形をほとんど生じないまま、割れが広がって破壊に至ること。
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型番・ブランド名 BENKANKIKOH
用途/実績例 オフィスビル、アミューズメントパークなどの大型商業施設から、石油精製プラント、大型タンカー、食品・医薬品プラント、また日常生活に欠くことが出来ない水道、ガス、発電所などの幅広い分野で使用されております。

詳細情報

厚肉溶接式管継手
特に肉厚部材の突き合わせ溶接の際は、開先形状の設計は、溶接後の配管品質を大きく左右します。

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開先形状の設計
部材の厚さ(T)や素材などによって、様々な要因を加味したものとなる開先形状の設計は複雑さを極めます。

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(図1)
溶接部を断面した際の形状によって開先を分類しています。一般的にアルファベットに例えられております。
I形、V形、レ形、K形、J形、X形、U形、両面J形、H(両面U)形など

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(図2)
最も一般的なV開先の詳細例です。

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SU継手
[SU管継手]の様に厚さ4mm未満の部材を突き合わせ溶接する場合、角度のないプレーンエンド形状であるI開先が採用されます。
通常は、溶加材(フィラーメタル)を使用しますが、この場合、ノンフィラー(溶加材なし)で、電極による母材の溶かし込みのみで溶接します。

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