溶離液と呼ばれる移動相に液体試料を導入し、試料中のイオン成分を固定相である分離カラム内で分離させます。イオンクロマトグラフ法には主に3種類の分離機構があり(表2)、その中でも、イオン交換分離を利用した分離機構が最も一般的に用いられます。イオン交換分離は、着目イオン成分の価数やイオン半径の違い等によって各イオン成分を分離する方法です。
検出器には電気伝導度検出器、電気化学検出器、UV検出器、蛍光検出器、質量分析計等が用いられます。
カラムで分離した各イオン成分の保持時間はイオン成分ごとに異なるため、ピーク位置(保持時間)を標準試料と比較することで定性分析を行うことができます。また、測定強度と溶液中のイオン成分濃度が比例関係となるため、濃度既知の標準溶液との比較によりイオン成分の定量分析が可能です。