一般財団法人材料科学技術振興財団 MST

[SSRM]走査型広がり抵抗顕微鏡法

最終更新日: 2023-04-14 11:47:27.0
ナノメートルレベルでの局所抵抗測定が可能

SSRMは、バイアスが印加された試料の表面を導電性探針で走査し、抵抗値の分布を二次元的に計測することで探針直下の広がり抵抗を可視化する手法です。
シリコン半導体素子を計測した場合、空間分解能に依存しますが、キャリア濃度1016個/cm3以上に感度があります。

・ナノメートルレベルでの局所抵抗測定が可能
・半導体のドーパント濃度分布計測に有効
・半導体の極性(p型/n型)の判定は不可
・定量評価は不可

基本情報

■広がり抵抗とは
試料にバイアス電圧を加えて、探針直下に存在するキャリアを探針に流入させ、その電流を対数アンプで増幅して、抵抗値として計測します。このとき、印加したバイアス電圧は、探針の直下で急激に減衰します。そのため、探針に流入できるキャリアは、探針の極近傍に存在するものに限られ、これを抵抗値として検出することになります。このような局所的な抵抗を広がり抵抗と呼びます。

■ダイヤモンドコート探針
SSRM では、主に、ダイヤモンドコートされたシリコン製の探針を用います。この先端は数十nm 程度まで先鋭化されており、特に尖りの部分は数nmの鋭利さを持ちます。SSRMはこの微細な探針の直下のキャリアを検出するため、高分解能の計測が可能です。

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用途/実績例 ・局所抵抗測定
 シリコン半導体素子(MOSFET)の拡散層形状評価
 化合物半導体素子(LED・レーザー素子・パワーMOSFET)の拡散層形状評価
 化合物太陽電池, リチウムイオン二次電池の抵抗分布評価
 絶縁膜のリークスポット計測

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